1.株式の譲渡(127条)
第127条(株式の譲渡)
株主は、その有する株式を譲渡することができる。
株主は、保有する株式を自由に譲渡することができます。
譲渡の制限を定款に定めることができますが、譲渡を禁止することは認められません。


2.株券発行会社の株式の譲渡(128条)
第128条(株券発行会社の株式の譲渡)
1 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。
株券発行会社の株式の譲渡は、株券を交付しなければ効力を生じません。
ただし、株式会社が自己株式の処分による株式の譲渡を行う場合は、株券の交付がなくても有効です。

3.株式の譲渡の対抗要件(130条)
第130条(株式の譲渡の対抗要件)
1 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。
3-1.株券発行会社
株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名・名称、住所を株主名簿に記載・記録しなければ、株式会社に対抗することができません。
第三者に対しては、株券の占有が対抗要件となります。

3-2.株券不発行会社
株券不発行会社においては、株主名簿への記載・記録が、株式会社と第三者に対する対抗要件となります。


4.株式振替制度
社債、株式等の振替に関する法律
第128条(通則)
1 株券を発行する旨の定款の定めがない会社の株式(譲渡制限株式を除く。)で振替機関が取り扱うもの(以下「振替株式」という。)についての権利の帰属は、この章の規定による振替口座簿の記載又は記録により定まるものとする。
2(略)
上場会社における株式の譲渡は、「社債、株式等の振替に関する法律」(振替法)に規定する振替制度により行われます。
4-1.譲渡の効力
社債、株式等の振替に関する法律
第140条(振替株式の譲渡)
振替株式の譲渡は、振替の申請により、譲受人がその口座における保有欄(機関口座にあっては、第129条第5項第2号に掲げる事項を記載し、又は記録する欄)に当該譲渡に係る数の増加の記載又は記録を受けなければ、その効力を生じない。
この制度で取り扱われる振替株式の譲渡は、振替機関、口座管理機関における口座の保有欄に、譲渡に係る数の増加を記載・記録することにより効力を生じます。
口座のデータは、株式会社に通知されて株主名簿に記載・記録されます(総株主通知)。

4-2.対抗要件
株式振替制度における第三者に対する対抗要件は、譲受人の口座の保有欄への記載です。
また、株式会社に対する対抗要件は、株主名簿への記載となっています。



