1.定義
第2条(定義)
十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第108条第1項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。
種類株式発行会社とは、2条13号に規定されているとおり、内容の異なる2以上の種類の株式を発行する株式会社をいいます。
単一株式発行会社とは、会社法の規定はありませんが、内容がすべて同じ1種類の株式のみを発行する会社をいいます。

2.単一株式発行会社
第107条(株式の内容についての特別の定め)
1 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。
一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
二 当該株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
三 当該株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
株式会社は、発行する全部の株式の内容として①譲渡制限株式、②取得請求権付株式、③取得条項付株式を定めることができます。
この場合、株式に①~③の内容を定めても、それは種類株式とは言いません。
種類株式と呼ぶためには、異なる種類の株式(2種類以上の株式)についての定めがなければならないのです。


3.種類株式発行会社
第108条(異なる種類の株式)
1 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第9号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。
一 剰余金の配当
二 残余財産の分配
三 株主総会において議決権を行使することができる事項
四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
五 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
六 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
七 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること
八 株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第478条第8項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの
九 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第112条第1項において同じ。)又は監査役を選任すること。
株式会社は、以下の9種類の事項について異なる定めをした内容の異なる2以上の種類の株式を発行することができます。

この場合、内容を特に定めない株式、実務上のいわゆる「普通株式」も種類株式です。

なお、実際には1種類の株式しか発行していなくても、定款に内容の異なる2以上の種類の株式を発行する旨の規定があれば種類株式発行会社ということになります。



